2012年4月10日火曜日

セマナサンタひまなもんだ

セマナサンタ(聖週間)がやってきた。
実際は2日間の祝日なのだが、学校は1週間のお休みである!
特別なミサが行われ、紫の衣装を着ている人もいる。

セマナサンタ当日にはビスククイから何時間もかけて“キリスト受難の道”を再現しながら山の上まで歩くと言う行事が行われていたらしいが、参加出来ず。
というのも、ビスククイ近郊の村落巡りをしていたのだ。
シルビアの親戚の住むビジャローサに1泊した後、旦那さんエルナンの親戚の住むサンタバルバラに3泊した。

ビジャローサに着くと早速セマナサンタ料理作り開始。
この期間には牛や豚などの赤い肉を食べないのが慣わしらしく、代わりに魚を食べる。

塩漬けにして干した川魚
これを卵と野菜とあえて炒めたり、ヒヨコ豆とスープにしたりする。
しょっぱい上に臭みがあって、うーん。
魚料理を楽しみにしていただけに少し残念。

そして、とにかく沢山のお菓子が作られる。
家を出るときにも「たくさんお菓子食べてきてね!」と挨拶代わりに言われたほどだ。
夜までセニョーラ達とお菓子作り。
かまどでずーっと鍋をかきまぜていたので全身すっかり炭くさくなってしまった。

シルビアお手製のココナッツのお菓子
レモンの葉の上にのせてあって、甘いけどイイ香り、おいしかった。

翌日にはお祈りが行われた後皆で昼食。
お祈りに参加したのは少人数だった。神より食事!?
親戚一同が集まりすごい人数のためテーブルに座りきれず、交代に食べられる。
日本だったら絶対皆一緒に食べるのになーと思いながら順番待ち。

食事とともに出されたスイーツ!
パパイヤの砂糖煮(緑のと、熟したの)
シロップ漬けのキャッサバ芋のドーナツ
ココナッツ入りライスプディング
デュルセデレチェ(牛乳を砂糖で煮て固形化したもの)
ティラミス
とにかく甘い、全てが甘い。

満腹のお腹を抱えて、今度はサンタバルバラへ移動。
道中エルナンが車を降り、何やら植物を切っている。
中心に食用できる部分があるらしい。
皮を削いで中身を取り出すと「だめだ、まだ青いな。」
散々切ったのにあっけなく捨てられてしまった。
しかも、切っているときに指を負傷して流血までしていたのに…。残念。

さて、サンタバルバラではひたすら親戚の家巡り。
一軒訪ねるごとに出されるお菓子。
翌日はサンタエレナというさらに山道を車で行った所にある親戚の家々を尋ねた。
朝から5軒くらいまわったが、たずねる度にやはり出されるお菓子…お菓子…。
スープも2軒でごちそうになる。
ああ、もうこれ以上お腹に入らない。
と思うものの、出されるとつい食べてしまう。
助けて…!
しかし、さすがに最後はスイーツは断った。
私が断るなどよっぽどである。

親戚の家々ではのんびりおしゃべり。
私は親戚でも何でもないので概して退屈だったが、子どもたちとおしゃべりしたり、座ってウトウトしたり、まあ、のんびり過ごした。
小鳥と追いかけっこしてた子ども達
おもしろい発見もあった。
なぜか日本人形写真!
たいそうに額にまで入れられ、赤い壁に4枚も飾られていた。
こんな地球の裏側の山奥にふと日本文化が現れるのがおもしろい。

田舎ボーリング!
飲み屋にあった手作りボーリング場!
真ん中の木にあたると12点、右が7点、左が5点、脇の壁にあたったら0点。
などとルールもしっかりしている。
ちゃっちく見えるがやってみると意外に楽しい!
セニョール達はビールを賭けて楽しんでいた。

翌日は朝から鶏スープ作り。
ここで初めて鶏を屠殺するところを見た。
木に逆さに吊るして頭に血をのぼらせた後、セニョーラがマチェテ(刀)で首筋をスパッ!
一瞬で殺られるのかと思いきやしばらくバタバタしていた…。
その後は熱湯につけて羽をむしる。
子どもたちもお手伝い
日本ではこんなことなかなか見られない。
日本の子どもはスーパーに並んだ既に切られた肉しか知らない。
こうして日常の中で“生き物の恩恵”を学んでいくんだなー。

この日も午前中は近所の親戚の家巡り。
さすがに飽きてきた…
午後は大雨で家にこもりっきり。
みんな昼寝。
夜たっぷり寝てるので眠くなくって、1人でTV(昼ドラ)観賞。
暇…なんて暇なんだ!!
さすがに退屈になってしまった。
田舎は大好きだけど、私はやっぱり常に何か刺激を求めているのだなーとわかった。

3泊した家。土壁の家がほとんど。
4日目の朝ビスククイへ帰った。
帰り道に前日おじゃました家の前を通ると、お土産に自家製チョコレートをくれた。
彼ら結構イイ値段で売っているものなのに!
エルナンはちゃんと払って買っているのに。
前日にもチョコレートドリンクを振るまってくれ「おいしいおいしい」とおかわりまで頂戴したせいだろうか。
彼らは庭にカカオの木を持っており、チョコレートを作っている。
結構いろいろな工程があって作るのは大変そう。
100%カカオ、そのままだとメチャ苦いので、牛乳と砂糖で溶かして飲むのだ。
ああ、こんな通りすがりの日本人のために…ありがとう!
村の人は素朴で素敵だ。

セマナサンタはお酒も飲まなきゃ、音楽もダンスも無い。
既にベネの夜通し踊ってビール三昧なフィエスタを知っている私にとっては暇で退屈だったが、これもまたベネズエラの姿。
セマナサンタ、暇だった。

2012年4月1日日曜日

ビスククイ日本祭開催!

330日、ついに当日。
予定では9時開催。
朝からどしゃぶりだったが7時半に会場入りして準備開始。
9時頃には幼稚園の先生達や文化センター・手工芸センターの人達、テコンドー教室の子ども達も来だして、会場設定を手伝ってくれた。
折り鶴のモビール
写真展示

帰国した先輩隊員の竹工芸品も展示

会場入り口には門松、笹と短冊、のれんにちょうちん…(ちなみにこの左側には大きな桜の飾りが)
正月あり七夕ありの何でもありである。
いや、なかなか和な雰囲気が出ているではないか。

大体準備が終わったものの、一向に始まらない。
それというのも最初に挨拶をする市長が来ないからだ。
文化センターの音楽クラス・ダンスクラスもリハーサルをしているとかでなかなか来なかったが、一番の原因は市長だろう。
9時に始まるわけはないと思っていたものの、まさか12時になるとは。
園児の母親は「もう帰りたい。子どものご飯の時間よ。」とかなり怒り気味。
午後は用事があり自分の曲を演奏ぜずに帰ってしまった人もいた。
もっとしっかり時間の打ち合わせをしておくべきだった…が、結局いくらしっかり打ち合わせようとも、遅れて開始なのがこの国のお国柄なのだろう。仕方なし。

1日目は文化センターの四半期の発表会と合同開催のため、音楽演奏やダンス発表がメイン。
トップバッターは活動先の園の一つであるモンタニータ幼稚園の園児達による、日本の手遊び歌と幼児向け盆踊り。
が、
雨のせいで子ども4人しか来ず!
一応20人くらい踊る子を決めてリハーサルしてたのに。
雨だと学校さえ休むお国柄、仕方なし…。
まあ、幼児教育面で考えれば、大事なのは結果よりプロセスである。
普段の保育の中で、なかなか触れることの少ない外国の歌や踊りを踊った事は、園児達にとって外国文化に触れる良い機会になっただろう。
それに、来てくれた4人の女の子達、歌い踊る姿がメチャかわいかったので大満足☆

テコンソーランもメチャかっこよく決まった。
やっぱり練習の成果が出るなあ。

これ、はっぴで大好きな『東京音頭』を歌っているわけではない。
はたまたカラオケの十八番『お祭りマンボ』(by美空ひばり)を歌っているわけでもない。
左に写っているのは村のDJ。あだ名はネグロ(意味=黒。肌が黒いから。)
彼とコラボして日本のHipHopを歌ったのだ。
なつかしい『Greatful Days』(by Dragon Ash
というか、当初は彼に歌ってもらう予定だったのだが、特に練習していなかったらしく、結局女の人が歌ってる部分だけを私とかなちゃんが歌うという展開にいたったのだ。
B系かラッパー風なダボダボスタイルでいこうかなどと冗談半分で話していたものの(いや、かなちゃんは本気だったに違いない)結局何も用意せず、はっぴで登場することになってしまった。
まるで“村ののど自慢カラオケ大会”とでもいうような感じで恥ずかしかったが、おもしろいコラボ企画だった。

最後に村の仲良し一家の長男ククが『島唄』をベネズエラの楽器クアトロで弾き語りしてくれた。
ククの歌声は優しげで、いや~感動!
日本語だから村人には意味はわかんなかったろうけど。
次男ベビもギターで参加。
2日前に家に練習にお邪魔したときはベビ全然弾けてなかったのに、今日はばっちり。
2人で前日夜中1時まで練習したらしい。
ああ、それだけでも感動!
出番が最後だったから大方の人が帰ってしまっていて、聴衆が少なかったのが本当に残念。
自分の出番が終わると帰っちゃう村人。
学校や村の発表会でもいつもそうなので仕方ないが、最後まで聞いてってくれよ~、と今日ばかりは強く思った…。

最後に寿司の試食を出したが、人が少なく沢山残ってしまった。
しかも冷蔵庫に入れていたため冷えすぎていてあんまり美味しくない…
ただでさえパサついているベネ米、冷えてボロボロ、太巻きのデモンストレーションは見事に大失敗に終わった。

2日目もまたどしゃぶり。
なかなか人が来ない…。
テコンドーの先生と何人かの生徒も来ず、昼頃にテコンソーランを踊ったものの、前日と比べるとダラダラ感が出てしまった。
文化センターの音楽の先生もクアトロとピアノを持って来てくれると言ってたのに、来ず!
なんかまあ来ないだろうなという、そんな気はしていたのだが…。
でも、嘘つくなんて!まったく!!なんて責任感の無いやつなんだ。
こっちはずっと前から準備してるっつーの!!
そんなわけで、隊員による合唱をピアノ伴奏無しで行わなければならなくなった。
せっかくピアノの先生である音楽隊員るみこさんが来ていたのにーっ!
『ふるさと』『花』『もみじ』とThe日本の歌唱3曲をリハーサルなし、ぶっつけ本番で披露。
結果、アカペラで歌ったことによって歌が際立ったのか、聴衆一同静かに集中して聞いてくれた。
よかったよかった。
他には東京音頭を来場者と踊ったくらいで、2日目は主に展示と日本文化体験がメイン。
浴衣試着や習字のプレゼント、箸の豆つかみ競争、折り紙など…。
ポーズがどことなくインチキくさい

日本の雑誌と日本文化紹介雑誌(スペイン語)
終了時、気がついたら何冊か盗まれてた!
特に大評判だった風呂敷の本が盗まれたのは痛かった…。
誰だ、まったくー!

1日目と同じく寿司(太巻き)のデモンストレーションも行った。
ベネのパサ米を巻くのはかなり難しかったが、細くするなど改良を重ね、無事完成。
黒々しい海苔に初めは引き気味の村人達だったが、食べてみると意外や美味しいらしく、海苔の味はベネ人にもウケることがわかった。
しかし、あんこはうけなかった。
残すか、食べもしないか…。
クラッカーにのせて
カラオタという小豆に似た現地の黒い豆を使って作ったのだが、こちらには豆を甘く煮るという習慣が無い。
普通は塩味で、味付け用の葱やピーマンといった野菜と一緒に煮込んで食べられている。
なもんで、「甘いカラオタ!?ゲェー」と聞いただけで嫌がる人が多い。
2kgも炊いてしまったよ。
大鍋2つ分。
残ったら自分達で食べればいいやと思っていたが、残りすぎである。
どうしよう…。
村人にウケないんだから、村の友達にもあげられないではないか…。
おかげで毎日あんこ三昧。
ジューサーにかけてこし餡に→美味~!食べ始めたら止まらない!
あんこエンパナーダ(水で練ったとうもろこし粉の中にあんこを包んで揚げたもの)→なんちゃって揚げ饅頭!メチャうまい!!
凍らせてなんちゃって小豆バー→イケる
揚げバナナあんこ添え→微妙
茹でバナナあんこ添え→かなり微妙
あんこの可能性を感じる毎日である。

雨だったこともあり来場者は少なかったものの、無事終了。
調理に使わせてもらった市役所の食堂に片付けに行くと、忘れていたものを発見!
日本の国旗ゼリー!!!
せっかく作ったのに。
でも出さなくて良かったのかもしれない。
よく見ると、いやよく見なくても、なんともいびつな日の丸。
それに、砂糖を入れずに作ったので日本人の私にさえ薄味!
甘さ足り無すぎである。
おいしくない…。
うん、出さなくてよかった。

2日間のイベントをやりとげ、もうクタクタ。
疲れた。
思い残すことは無い。