2011年10月22日土曜日

大学講師デビュー

我が任地ビスククイは人口2万5千人(推定)くらいの村だが、大学が3つある。
しかしどの大学も校舎を持っておらず、小学校や中学校の校舎を使わなければならないため、通常授業は夜か土日に行われている。働きながら、あるいは実習しながら勉強するには都合がいい。
そのうち1つの国立大学の教育学科で講師をすることを頼まれた。
ことの起こりはJICA所長が任地に来た際、市役所での会議の折に配属先文化センターの長が「大学で講義をしたらどうか」と提案してくれたのだ。
早速大学のコーディネーターと連絡を取り、教授と打ち合わせ、すぐに2つのクラスで翌々週に講義の時間を取ってもらえた。
が、この大学全国各地にあるのだがレベルが低いことで悪評が高い…。
教授と書いたが、普通のおばちゃんが授業をしているといった感がある…。
先生は真面目でいい人達だったが、一般教養を教えている様子を見ても、専門知識が無いようでなんだか小学校の授業を見ているような感じがしてしまう。基礎教育(幼稚園と小学校)を教えているという2つのクラス、教授は2人とも幼児教育の現場経験が(多分知識も)無いので、一切幼児教育法は教えられていない。
そこで私の出番となったのであろう。
初日は折り紙を教えることにした。
「遊びを通して教える」ことを学生にも楽しみながら学んでほしいかったからだ。

しかし、講義を始める前にまずしたことは、日本紹介!
世界地図を広げ、「ベネズエラはどこでしょう?」と質問してみる。
2列目の席の学生「よく見えません」
とんだ言い訳である。
南米に位置することくらい、南米大陸の形くらい、わかっててくれ!
なるほど、アジアのことなんて何もわかっているはずがないと納得。
日本と中国は違う国であることなどを説明し、授業に入ったのだが、それでもあいかわらず「チーナ」とよんでくる学生がいる。
教授に対して見かけに由来した呼び方をするなんて失礼なことだって、なんで気がつかないんだ。
教授が「彼女はマリエよ!」とすかさず言ってくれるが、これまた小学校レベルである…。

さて、講義では簡単な折り紙を教えたのだが意外に難しかった様子。
長方形の雑誌から正方形を切り出す方法も誰もわからず、手本を見せてからでさえ質問が絶えなかった。
しかし中には興味を持ってくれた学生もいて、やる気のある人もいることに希望を感じた。
それでも配属先の幼稚園の先生達よりはよっぽど聞いてくれていたわけだが。
折り紙の教育的効果や、遊びを通して教えることの効果を説明し、終了。
午前・午後と2クラスでの講義を無事終えたわけだが、大学で教えるには自分の語学力がまだまだ足りないと痛感、反省して大学を後にした。

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